第1章:S男

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ちっ。一ノ瀬に話しかけられんやん。 女共の質問責めがかなりすごかった。 キーンコーンカーンコーン ここで、1時間目始まりのチャイムが鳴った。 助かったや~。 「じゃあ鳴海君っ!!次の休み時間に、また色々聞かせてねっ」 そう言って女共は自分の席に戻っていった。 オイオイ。次の休み時間も来るねんか。 …しゃーない。まあ隣の席なんやし、授業中に喋りかければいいやろ。 そう思って俺は左を向いた。 スピースピー …規則正しい静かな寝息を立てて、一ノ瀬は寝とった。 寝とるんかい! まだ、授業始まったばかりやで!? ────30分経過。 相変わらず一ノ瀬は寝とる。 …まあ、急ぐこともあらへんな。 じわじわ責めたるわい。 そう思って俺は前を向き、ノートを取り始めた。 キーンコーンカーンコーン 1時間目終了のチャイムが鳴った。 一ノ瀬は相変わらず…や。 「気をつけ~礼」 「「ありがとうございました」」 授業が終わった。 …と同時に、 「「鳴海く~~~んっ!!」」 女共が押し掛けてきて、 また質問責めが始まりよった。
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