第1章:S男

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「鳴海君は彼女いないのっ!?」 「どこに住んでるの!?」 「好きなタイプはっ!?」 だあ~~~っ!!!一気に質問するなっちゅうねん!!!! 休み時間もあと2分で終わりやというのに、質問責めは一向に終わらへん!!! …俺は左の席をチラリと見た。  …ありゃ? 一ノ瀬が居らへん。 さっきまで寝てたのに何処いったんやろ? 「鳴海君っ!!聞いてる~?」 『ああ!!ちょっとボ~ッとしとった!!』 ごめんなあ~と言って俺は爽やかに笑った。 「転校初日で疲れてるもんね~しょうがないよ!」 …だったら休み時間の邪魔すんなや。 キーンコーンカーンコーン 鐘が鳴り、女共はまたね~と言って自分の席に戻っていった。 …一ノ瀬はまだ戻ってきていない。 …授業が始まっても戻ってこない。 2時間目…、3時間目… ついに4時間目になっても戻ってこなくて 昼休みになってもうた。
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