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『今日はどうした？』
『あっ、うん……』
中々、話し出せずうじうじしていると、尚兄がクスッと笑った。
『モテる女は辛いねぇ』
『えっ？』
『笙に告白でもされたんだろ？あと、この前連れて来た彼の事が気になる……ってところかな？』
あまりにも的確に当てられて、私は開いた口が塞がらなかった。
昔からそうだった。
尚兄には隠し事なんて出来ない。
辛くても大丈夫
泣くの我慢
そんな私に、何故か尚兄はいつも“無理して笑うな”と、私の本当の気持ちを見透かられてしまう。
『笙や紗英にはバレないのに、尚兄にはバレちゃうんだろう……』
『可憐は昔の俺に似てるから……かな』
尚兄はポツリと呟く。
『私に？』
『そう……本当は弱いくせに認めたくなかったり、大丈夫じゃないのに笑ったり……。昔の自分を見てる様で、前の可憐は嫌いだった』
私を“嫌い”と言った尚兄がニッコリ笑い、「でも……」と話しを続けた。
『危なかっしくてほっとけなくて、結局辿り着く答えは妹の様に可愛いなんだよね……』
そう言って、今度は優しく微笑んだ。
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