第2章

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だるい授業も終わり放課後、紗英が私の所に駆け寄って来た。 『可憐ちゃん帰ろー』 私達は教室を出て近くのバス停まで、話しながら向かう。 『今日は稽古の日だっけ?』 『そうだよ。今度、大会があるからみんな気合い入ってるよ』 『可憐ちゃんはやっぱり出ないの?』 『うん』 私は大会には1回も参加した事はない。 私は大会に出て優勝したいんじゃない。 自分の事は自分で守れる人間になりたかった。 父の背中を見て育ったせいだろうか、小さい頃から私はそう思って父の稽古を受けてきた。 『まぁ、私が出たら優勝間違いないけどね!』 紗英にニコッと笑いかけた。 そんな話しをしている間にバス停に着き、少ししてバスが来て乗り込む。 学校から家まではバスで20分程度の距離だ。 その間も2人で話していると紗英が突然、私の袖をクイッと引っ張ってきた。 『どした?』 紗英に視線を移すと、今にも泣きそうな顔をして、小刻みに震えている。 ……まさか!! 私は紗英のスカートに目を遣った。 ……やっぱり。 思っていた通り、紗英の背後に立つサラリーマン風の男が紗英のスカートの上から、お尻を撫で回していた。 .
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