第13章

14/15
前へ
/212ページ
次へ
でも、私には何を言っているのかさっぱり分からない。 と言うか、余計分からなくなった気がする。 (そう言う事ってどう言う事?) 『まぁ、思う存分悩みなさい』 ガラガラ―― その時、教室の扉が開き先生が入って来た。 『はい、席に着いて』 結局、紗英に相談しても私の悩みは解決せず、より一層深みに嵌まった気がした。 その日の授業は最悪で、内容は頭に入らないし、先生に指されても上の空の私には答える事は出来ず、先生に心配される始末だった。 (もう……いや……) 全ての授業が終わり放課後、私は突っ伏す形で机にうなだれていた。 『可憐ちゃん……大丈夫?』 机の横にちょこんとしゃがみ込み、紗英が言う。 『大丈夫じゃない……』 私はうなだれたまま、顔だけを紗英の方に向け答える。 『ところでさぁ……』 紗英は教室をキョロキョロ見渡しながら言った。 『今日、一回も耀来てないね』 確かに……。 昨日は私達が何を言っても、引っ付いていた耀が、今日は打って変わり一回も来ていない。 そもそも、学校に来ているのかも分からない。 耀とはクラスが違うから、向こうから来なければ逢う事もないのだと今更ながら思った。 .
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8130人が本棚に入れています
本棚に追加