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『ふと思ったんだけど……耀の事を嫌ってる割りに、紗英気にしてない?』
『昨日、あんだけしつこく付き纏ってた人が来なきゃ気にもなるでしょ』
(それもそうか……)
紗英が言う事も一理ある。
でも、気にしたところで私には関係ない事だ。
私達は帰り支度をし、家へと帰った。
次の日の朝も、耀はバス停には現れず、学校で逢う事も無かった。
そしてそれが1週間程、続いた。
『耀君、可憐ちゃんの事諦めたのかね』
『だと嬉しいんだけど』
私は口ではそう言ったが、耀が来ない事を“寂しい”と感じていた。
何でそう思うんだろう。
私はこの“寂しさ”が何なのか、この時はまだ分からずにいた。
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