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『だっだって……笙があんな事を言うから……』
『好きな奴?』
笙は恥ずかしがる様子も
なく、サラリと言ってのける。
聞いてるこっちが恥ずかしくなり、顔に熱が集まるのが分かった。
『顔、真っ赤』
笙はクスッと笑いながら言う。
私は恥ずかしさのあまり、両手で顔を隠した。
『好きだよ。ずっと前から……可憐が好きだよ』
私は顔を隠した手を降ろし、笙を見た。
さっきまで悪戯っ子の様に笑っていた笙が、真っ直ぐ私を捕らえ目を反らせない。
私は何も言えずにただ、笙を見ていた。
『聞いてた?なんならもう一度言おうか?』
『いっいい!聞いてたから!もう言わなくていい』
私は、もう一度告白しようとしている笙を必死に止めた。
笙の気持ちは嬉しい。
けど、笙が私に対する“好き”と、私が笙に対する“好き”は違う。
『ごめん……笙の事は好きだけど、笙の好きとは違う』
私は笙に正直にありのままの気持ちを伝えた。
そうしなければいけないと思った。
『分かってた』
そう言いながら、笑う笙の顔が寂しく見えた。
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