第14章

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『アイツの事、好きなのか?』 (アイツ……耀の事だよね?) 『許してない……けど、嫌いじゃない……と思う』 『そうか……最後に一つだけ』 笙は少し悩んでから、口を開いた。 『この前、だだのキスって言ってたけど、アイツにキスされたのか?』 (……?) 何で今更、聞くのか私には分からなかった。 (笙はあの時の事を知って…………あっ!!) 笙は知らない。 あの時、何かあった事を知ってるだけで、何があったのかは知らない。 『えーっと……はい』 私は悩んだ末、素直に答えた。 その瞬間、ゾクッと背筋に悪寒が走る。 笙だ…… 笙から殺気を感じる。 『やっぱり……実際、本人から聞くと怒りで我を忘れそうだ』 私はそう言う笙に不安を覚えた。 そして笙は私を見てクスッと笑い、私の頭をポンポンと子供をあやす様に触った。 『そんな不安な顔すんなよ。アイツを殴りに行ったりする訳ないだろう?それに殴る資格なんて俺にはない』 その言葉を聞き、私はホッと胸を撫で下ろした。 .
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