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『……可憐』
『何?』
『これからも幼なじみとして宜しくな……じゃあ、俺帰るよ』
笙はそう言って立ち上がり、部屋を出ていった。
私も立ち上がり、のそのそとベッドに近寄り正面からボスッとベッドに倒れ込む。
(嫌いじゃない……か)
自分で言った事に少し驚いていた。
嫌いだと思っていたのに、口から出てきた言葉は“嫌いじゃない”。
一週間、顔を合わせないと“寂しい”とさえ感じる。
(……どうかしてる)
私は起き上がり、携帯を手にし、電話帳を開き名前を捜し電話を掛けた。
プッ……プッ……プッ
トゥルルルル……トゥルルルル……
携帯から無機質な機械音が耳へと響く。
4コール程した時、電話相手が出た。
『もしもし……可憐だけど』
『どうした?』
『今から行っていい?』
『……いいよ待ってるから早くおいで』
私は電話を切り、鞄を手に取りリビングに居るお母さんに「ちょっと出掛けてくる」と言い残し、言えをあとにした。
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