第14章

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その後、尚兄と少し話して私は“はるひ”を後にした。 家に帰るバスの中で、私の後ろの席に座っているカップルが喧嘩を始めた。 真後ろの為、聞きたくなくても勝手に耳へと会話が入ってくる。 『だから、委員会の話しをしてただけだって』 『随分と楽しそうだったけど?鼻の下伸ばして、デレデレしちゃってさぁ!』 『してねぇよ!妬きもちも大概にしろよ?』 『デレデレしてる方が悪いんでしょ!』 どうわら彼女は彼氏が女の子と話すのが気に入らないらしい。 (浮気してる訳じゃないんだから、それくらいで怒るなよ……。) と、心の中で、彼女に突っ込む。 他の女の子と楽しく話して……。 (…………?) 私の中で何かが引っ掛かった。 女の子……楽しく…… 尚兄の言葉が頭に浮かぶ。 “彼が女の子と、仲良く腕を組み楽しそうにしているところを、可憐が見てしまいました。どう感じる?” 私の答えは“ムカツク”。 これじゃまるで……。 後ろに居る彼女と……。 同じ……? .
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