第15章

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『ラブレターじゃなければ何?』 紗英が首を傾け聞いてくる。 『果たし状』 『……はいっ?』 驚く紗英に私はニッコリ笑う。 『どうかしたの?』 上履きに履き変えた耀が、後ろから声を掛けてきた。 『ううん。何でもない』 私は慌てて手紙をスカートのポケットに捩込んだ。 『さっき、ラブレターとか何とか聞こえたけど……』 『さっ、紗英!紗英がラブレター貰ったんだよ。ねぇ、紗英?』 私は咄嗟に紗英に話しを振った。 『えっ?あっ、うん!そうそう私が貰ったの』 『ふーん……』 『ほら、教室行かないと!』 私はこれ以上、耀に検索されるとまずいと感じ、早めにこの場から離れたかった。 私達は階段を上り、教室がある2階で足を止める。 耀は左、私と紗英は右に、各々のクラスに向かう。 教室に入り席に着き、鞄から教科書等をしまう。 そして、さっきポケットに捩込んだ手紙を取り出す。 捩込んだせいで、手紙は少しシワが寄っていた。 封を開け、中から便箋を取り出す。 二つ折りになっている便箋をゆっくりと開くと、可愛いらしい文字が目に飛び込んできた。 .
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