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午前の授業が終わりお昼、耀は当たり前の様に私のクラスに来て、一緒にお弁当を広げている。
『何で居るの?』
『可憐、今日も迎えに来るから』
また人の話し聞いてないし……。
『今日は無理!一人で帰って』
『何で?』
『用があるから』
『じゃあ、終わるまで待ってる』
『待たなくていい』
『何で?』
耀は諦めるどころか食い下がる。
ここで折れる訳にはいかない。
『いい加減にしてよ。耀しつこいよ?』
少しキツク言ったのが効いたのか、耀は「分かったよ」と納得していない様子で言った。
――キーンコーン カーンコーン
昼休み終了のチャイムが校内に鳴り響く。
『昼休み終だよ。さっさと教室帰りなよ』
『はいはい』
紗英に言われ、耀は席から立ち上がり戸へと向かう。
耀が教室を出たのを確認してから、私は紗英に「頼みがあるんだけど」と話しを持ち掛けた。
『……って感じてお願いしたいんだけど……』
『別に構わないけど、そこまでしなくても平気だと思うよ?』
『一応、念の為……ね』
『可憐ちゃんがそう言うなら……私に任せて』
紗英はそう言って、笑って了承してくれた。
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