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ジリリリ…
目覚ましの音で目が覚める。
煩く鳴る目覚ましを止め、両手を上げて伸びをする。
『んー今日も良い天気』
私は羽山 可憐(ハヤマ カレン)
今日から高校最後の一年が始まる。
私は意気揚々と支度をして、リビングに行った。
『お母さんおはよう』
『可憐ちゃんおはよう』
『お父さんまだアソコ?』
『そうなのよ…呼んできてくれる?』
「はーい」と返事をして、父の居る所へと向かった。
玄関を出て少し行くと、道場が見えてくる。
私の父は、武術の師範で子供達に教えいて、私も小さい時から教え込まれた。
そのお陰で、そこら辺の男には負けない程に強い。
そんな父は毎朝、精神統一をする為に道場にいる。
『失礼します……』
戸を開けると、父が道場の真ん中で座禅を組み、瞑想をしていた。
静かな道場に、ピンと張り詰めた空気が流れている。
『おはようございます師範』
道場に居る時は、どんな時でも父を師範と呼んでいる。
それは私が、普段の父と稽古の時の父に対するケジメをつける為だ。
父は立ち上がり、私の方へ向かって来た。
そして目の前まで来ると、優しく笑い「おはよう可憐」と師範から父の顔へと変わる。
私はそれをみて笑顔で返した。
『さて、母さんが待ってるから行こうか』
私と父は母の待つリビングに向かった。
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