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男はいかにも遊んでいますといった感じの、チャラ男だった。
どうせ浮気してバレた上に、振られたもんだから逆ギレしたんだろう。
『ちょっとアンタ!何、可愛い女の子を泣かしてるのよ!!』
『あぁ?!テメェ誰だよ!』
その言葉に周りがざわつき始めた。
「羽山さんよ」「可憐様だ」「姫を知らないなんて嘘でしょう?」などと、口々に言ってるのが聞こえてきた。
『羽山……可憐……?……お前が噂の女か!』
『以後お見知り置きを……』
そう言って、私は男を馬鹿にするようにお辞儀をした。
『……ッ!ふざけんなよテメェ!』
男は女の私に、拳を振り上げ殴りかかって来た。
私は本日2度目の溜め息を吐き、振り下ろされた腕を掴み投げ飛ばした。
男は何が起こったか分からずに口を開け、放心状態になっていた。
そこに追い討ちを掛けるように、私は顔面スレスレに拳を振り下ろす。
『彼女から手を引きなさい…。痛い目みるわよ?』
男は慌ててその場を去って行った。
私に喧嘩を売るなんて、100万年早いのよ!
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