第1章

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私は制服に付いた埃を払い、女の子に声を掛けた。 『もう大丈夫。また何かあったら私の所に来なさい……ね?』 『はい、有り難うございました!』 女の子は深々とお辞儀をして校舎へと消えて行った。 『はい。可憐ちゃん鞄』 『有り難う紗英』 周りを見ると野次馬達は居なくなっていた。 ただ…… 女の子を周りにはべらせ、私を見る男が居るだけだった。 背は高く、さっきの男と同様に遊んでいますといった感じの、私の嫌いなタイプの男……。 私は気になり、男を見た。 すると目が合った……。 何故か目をそらす事が出来なかった。 まるで金縛りになってしまったかの様だった。 『……ゃん?可憐ちゃん!』 紗英の呼ぶ声でやっと身体が動いた。 『どうしたの?』 『ねぇ紗英……アイツ知ってる?』 私は男に気付かれない様に、紗英に聞いた。 紗英はチラッと見て「あぁ……」と軽く頷いた。 『金城 耀(カネシロ アキラ)君だよ。可憐ちゃんと人気を2分してる4組の人』 『ふーん……そう』 『それがどうかしたの?』 『別に……ちょっと気になっただけ。ヤバッ!遅刻しちゃうよ』 私達は教室へと急いだ。 .
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