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nature
遥か遠い国に陽が昇る
草原は風を抱き
生まれたばかりの光に祈る
老人は死を知っていた
喉の奥で懐かしい歌が響いた
体が砂となっても
滅びきることはない
世界はそう囁いていた
抱いてください
迎えてください
わたしの道に
花の雨を降らせてください
命は確かに歩き続けました
わたしは確かに誰かを愛しました
いま、砂漠の上に蒼い月が輝く
海のように光が揺れる
この体は砂となる
そして魂は蝶となる
海を目指し、蝶は飛んでゆく
どこまでも広がる海を
子宮と同じ匂いの海を
全ての星座が舞い踊る夜
新しい花が大地より生まれる
わたしの旅は永遠に終わらない
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