廃屋

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戒はとりあえず病院へ入った 内装はとても綺麗で患者も複数いた。ナースセンターではナース達が忙しそうに動き回っていた、その中にはさっき会話していた看護婦さんがいた、上司の人に注意を受けている様だった 戒と話していた事だと思い『悪いことしたな』と呟いた。 上司から注意され少し凹んだ表情を見せていたが、ふと戒の方を振り向き戒に気付いた様だ 暗い表情は吹っ飛び明るい笑顔で戒に会釈した。戒も会釈をした。 周りの人には戒の姿は見えてない様だった、他の看護士や先生達は戒が会釈しようが手を振ろうが何の反応も無かった。 普通なら何か反応を見せてもおかしくないはずなのに全くだった。  戒は無視される事に苛立ちながら歩いていると、正面から5才くらいの子供が歩いてきた、そこでわざと子供の目の前に立ちはだかってみたすると子供は戒をすり抜け何もなかったかの様に歩いて行った。 戒は唖然とした、固定されている壁や椅子、カウンター等には触れる事ができるのに人やモノには触る事が全くできないのである。 草木が生い茂ったあたりから今までの事を思い出してみる事にした。
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