序章

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急速に鬱が進行していったのは中学校に入学してしばらくしてからだった。     ほんの些細な事がきっかけでイジメにあうようになった。     きっかけは小学校からの友人が部活仲間に発した一言。     「最近付合いが悪い」    それは友人が部活を先に始め、2人の都合が合わなくなったからだったが、周囲には関係なかった。標的が見つかればそれで良かったんだろう。     カバンの中にゴミを捨てられ、コートは踏付けられ、授業中もゴミを投げ付けられ、靴も隠され、呼び出しもくらったし、陰口、シカト、パシリ…。     学校は苦痛しかない場所のような気がした。それがあと3年も?そう考えると死んだ方が良いのかと思い始め、中学1年の冬、カミソリを手首にあてがった。母が留守の間に。     しかし、たまたまその日は母が早く帰宅した。そのおかげで手首を切ることはなかった。    そのときは。     しばらくして、私が更に墜ちて行くきっかけを父がくれた。     私が描く絵を見て笑って言った。     「気持ち悪い。精神病院行って来い。」     そこで自覚した。 あぁ、私は 親から見ても 異常者なのだ…と。
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