人類への宣告

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       ※ 「んにゃぁ、づがれだ~」  やる気のないリンの声が、リビングに響く。  まあ仕方ないか。あれからネールがトラップ作動させるわ、ヘルベロスの群れに襲われるわで大変だったからな。  ちなみにここはグレンの家だ。俺と同じようにギルドに紹介されだ家だからなのか、俺の家とほとんど同じような構造になっている。 「誰のせいだと思ってんだよ」  グレンも疲れているらしく、リンと一緒にテーブルに突っ伏している。  俺とネールは近くにあるソファーに腰掛けているだけだ。 「まあ依頼を完了できたからいいじゃないか」 「よくねぇよ。畜生、猛犬連れてくるぞ、こんにゃろう」  そうは言うものの、やっぱり疲れているらしく、突っ伏したままだ。まったく迫力がない。 「それよりトラント遅いな」  俺はここに集まれと言った張本人、トラントが遅いことに対してぼやいた。  特別な仕事ってなんなんだろうか? 「私ちょっと外見てくる」  リンがだるそうに立ち上がる。なぜか足下が覚束ないのが少しこわい。  そしてリンが扉を開けようとしたとき、事は起こった。
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