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「んにゃ!?」
リンの悲鳴と何かがぶつかり合う鈍い音、それが扉を蹴り開ける音に続いて響く。
リンは額を抑えながら床に転がり悶絶している。
その騒がしさにグレンが重い体を起こした。
「ん?なんかぶつかったか?」
扉を蹴り開けた張本人、肩より少し上まで伸びた黒髪に、翡翠色(ひすいいろ)の瞳をもつ男性トラントは、きょとんとした感じでリンを見下ろしている。
リンは痛みがおさまったらしく、床に座りながらトラントを恨めしそうに見上げた。
トラントはその様子を見て意地の悪い笑みを浮かべる。
「ちょ!絶対わざとでしょ!!」
「まさか、ただおもしろい偶然だと思っただけだ」
その言葉を聞きリンは脱力して溜め息をつく。
トラントはそれを見届けると、扉の前から一歩ずれ、外にいた二人を家に招き入れた。
一人は綺麗な銀髪に黒のコートを着ており、瞳は紅く、不気味に微笑む口元には一対の牙が覗いている。キュラというヴァンパイアだ。
そしてもう一人は青い髪にローブのような服、手には複雑な杖を握っている青年、シロだった。
ちなみにシロは俺の家に住み着いてる居候だ。
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