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お友達を紹介してという電話が、可哀想な女の子からかかってきた。アリスじゃないけど、私と同様に生きづらい子。可哀想。助けてあげたい。薬剤師をやっている親戚のお兄ちゃんに、友達を紹介してあげたいという相談をした。
お兄ちゃんは、アタシが可哀想な子に友達を紹介してしまったら、アタシも親切な兎さんみたいになる、大人に連れていかれるからやめておけというの。やっぱり可哀想な子。友達がいない世界は辛いもんね。
お友達の代わりに白兎を紹介してあげた。金さえ払っておけば、親切なお友達を紹介してくれるの。アタシの住んでいる市や、アリスたちの間では少しばかり名前が知られている名兎。
あの可哀想な子が無事に不思議の国に行けたかどうかには関心がない。だって、アタシだって自分のことで手一杯だもの。
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