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「親父、起きてるか?」
僕は今、親父の部屋の前にたっている。
「親父、返事しろよ」
ちょっとイライラしながら言うと、扉が開いた。
「なんだ・・・こんな夜中に」
「そんなのんきなこと言ってる場合じゃないんだよ!リビングが大変なことに・・・」
「・・・どういう意味だ?」
「いいから来て」
僕はやや強引に親父をリビングに行かせた。
「なんてことだ・・・」
荒らされたリビングを一目見たときの親父の第一声。「あ、あなた・・・」
母さんが親父を見て、近づいてきた。
「これは一体どういうことだ?」
「わからないのよ・・・ねえ、ジョニー?」
「ああ・・・、大きな音がしたから来てみたらこうだった・・・」
僕がそう言うと、
「・・・ふん、誰のいたずらかしらんがくだらないことを・・・どうせそこらへんのチンピラだろう」
「でも、おかしいよ」
「なにがだ」
「チンピラとかがやったなら金とかとっていくじゃん?でも金はおろか、金になるもの全然盗まれてないよ?」
「ふん、そんなことはどうでもいい。金がとられてないならそれでいいだろう」「・・・」
僕は変な違和感を感じた。なぜ、金品は盗まずただ家を破壊したのか・・・行動が不自然だ。なぜ・・・
「そんなことより警察を呼ばなくては」
親父はそう言うと、電話機を手にとった。
「・・・あれ?電話がつながってない・・・」
・・・続く
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