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親父は、窓をまたごうとしている。が、そのときに肘に当たったビンが外に落ちた。
「あっ・・・」
親父がつぶやいたとき、怪奇現象が起きた。地面がないのだ。
「なんだこれ?地面がない?」
親父が力の抜けた声でつぶやいた。だが、地面がなくなったのはほんの一瞬だった。つまり、ビンが地面に落ちたときだけ、もしも親父がそのまま地面にふれていたら・・・考えるだけでぞっとする。
「・・・・・・」
親父は腰がぬけていた。なさけない・・・そう思ったが気持ちもわかる。
「ほら親父、腰ぬかしてないでたちなよ」
僕は親父に手をさしのべた。
「あ、ああ。悪いな」
「まったく、いいとしして腰ぬかすなよ」
「うるせえな」
親父は恥ずかしがっていた。
「とりあえず、安全なとこでかたまってようよ。そうして朝をまてばなんとかなるだろ」
「そうだな・・・」
みんなと話し合い、一番安全なのは見通しのいいリビングでかたまることになった。
「しかし、ジョニーは冷静だな・・・正直驚いた」
親父がびびりすぎなんだよ・・・と言いたいけど自分でも不思議だ。こんな怪奇現象が起きても冷静に頭が回転するとは自分でも驚いた。
「・・・トイレいきたくなってきたな・・・」
馬鹿親父がまた変なこと言ってるよ・・・。
・・・続く。
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