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冬の某日
雪が、ちらほらと宙を舞っていた。
秋が過ぎ、木々は葉っぱを全て落とし終えて、枝には何もない。
肌を刺すように吹く木枯らしが、地面に落ちた葉を踊らせ、吐く息を空の雲の色と同じ色に変えていく。
音の無いその光景はとても奇麗だ。
けれど、それを目にする私はさびしさを感じずにはいられず、駅からの帰り道、自然に私の足は家路を急ぐように速くなる。
何故か
こんな日は、
昔、聞いた話しを思い出す。
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