14人が本棚に入れています
本棚に追加
やはり、母親の力って偉大だと思うんです。文字通り、命を賭けて子供を生むんですから。子供の養育権で争ったわけではないのですが、子供達が母親を選んでほしくないという思いがあったのです。
しかし、このままでは娘は、自分が愛されない存在と思ってしまうかもしれない。そう思い携帯を手に取りました。
その週の日曜日、3人で遊園地にあるプールに行きました。娘はこのプールがお気に入りで、何かと連れて行けとせがんでいたので気分転換にはもってこいでした。
久しぶりにはしゃいでる娘に、声をかける女性。一瞬戸惑っていましたが、すぐに抱きついてました。
「ママー!!」
実に7年ぶりの再会でした。息子の方はほとんど記憶がないので、最初はもじもじしていましたが、すっと近づいて手を握ってました。
すごいな、母親ってと思いました。息子は娘と違い、人見知りが激しい方なのですが、やっぱり何かを感じとったんでしょうね。
それから7年ぶりの親子団欒があり、最初はぐすぐす泣いていた娘も、普通に学校のことや友達の事を話していました。
そして、別れの時間。私は何ともいえない気持ちになっていました。
母親と帰ると言い出したらどうしよう、不安で胸がいっぱいです。
「じゃあ、ママはこれで帰るよ」
「うん、わかった。じゃあ、またねー。バイバーイ!」
娘も息子も泣きもせず、母親に抱きしめられたら、手を振っていました。
帰りの道中、思い切って娘に聞きました。
「ママと一緒に行きたいって思った?」
「なんで?パパと帰るに決まっとるやん」
そう当たり前なんですよね。でもその当たり前が本当にうれしかった。私は子供達のために頑張ったとは思ってません。親として当たり前の事をやってきただけ…
けど、子供達は違います。親の身勝手な離婚に付き合わされて、しなくてもいい苦労や、味あわなくてもいい寂しさを耐えてきたんです。
その年から参加した祭りでは、親子共々はじけまくって、大変楽しい思い出を作る事が出来ました。
あれから4年がたちましたが、毎年祭りには参加してます。今では、かかし一家の最大のイベントになっています。
親子で全力で楽しめる日、そして、1年に1回母親と会える日として…
とりあえず、この章はここで終わりたいと思います。また、別の章で子供達の事は取り上げると思いますが(笑)
最後まで読んでくださってありがとうございました。
最初のコメントを投稿しよう!