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ユカリ『別に』
コウ「え…?」
ユカリ『恋愛なんてネットの中だけで十分。
でしょ?
あ、コウちゃんは昔びいきだからチャットとかネトゲとかあんましやらないか~。今は、ネットで彼氏なんかいくらでも出来るんだよ!ユカリも、今4人くらいとお付き合いしてるし。
昔の恋愛がどうだったかは知らないけど、好きだよって言われたらドキドキするし、自分も好きって思うよ。
みんなそうだよ?
常識だよ』
コウは、二の句も告げず絶句していた。
ユカリのまくし立てるような話し方に圧倒されていたのもあるし、
なにより、
コウの考え方に興味や理解を示していたユカリが…実はコウが思っていた事など何一つ同意していなかったと言うことに、打ちひしがれていた。
確かに今の若者がそういう恋愛をしていることは知っていた。
だがコウは……そんなのは恋愛だと認められなかった。
――この前の電話で、コウはユカリにそのことについて話したはずだ。そのときユカリは『うん。そうだよねぇ…ユカリもそう思うよ!』などと言っていたのに……
――彼女だけは
他の奴らとは違うと
信じていたのに……!――
ユカリの一方通行な会話は止まらない。
本当にコウに話しかけているのか分からない。
ただ鬱憤を晴らすかのように、彼女の言葉は流れ続けた。
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