序章

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それに伴い、人口は爆発的に増大した。 数十年前、すでに表面張力を保っていた人口のバランスは一気にあふれ、 ニンゲンは食料や住みかを手に入れるため森を焼き、動物を殺し、裕福な人々は自分達が飢えぬよう大量に食料を溜め込み、その為貧富の差はますます拡がることとなった。 そして――追い討ちをかけるように、第三次世界大戦が勃発した。 世界中の核保有国がこぞって核爆弾を発射した結果、 世界は生物の住めない焼け野原となった。 しかしそれでも人間は生き延びていた。 洞穴のようなシェルターに籠もり、他と己を隔絶して、それでもまだ生きていた。 放射能に侵されながら、誰もが自分だけは生き残れるという根拠のない自信を疑いもせず。 貧困は悪化していく。 環境破壊、温暖化現象、原因不明の病気の蔓延… 地球は破滅へ向かっていた。
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