第一章

4/6
前へ
/26ページ
次へ
食卓につき、一人で朝食を食べる。 食事はすべて自動調理機によるものだ。 保存、食材の合成、調理までをすべてやってくれる優れ物。 もちろん、紫外線が容赦なく降り注ぐ地上には、とっくに作物は育たなくなっている。 あぁ、放射能汚染の影響もあるか。もしくは工場から出た排水の毒素とか?降り注ぐ酸性雨の影響か? ――なんて、数え上げていたら切りがない。 この地球はもはや、生き物が生きていくのに適しているとはとても言えない状況になっているのだから。 ――それでもしぶとく生き抜いている人間は、ある意味物凄い生命力だともいえる。 ゴキブリ並だ。 そんなことを考えつつ、あまり美味しいとは言えないそれらの食事を手早く平らげ、コウは学校の「準備」をする。 と言っても自室にあるパソコンに向かうだけだが。 一時間目は歴史の授業だった。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加