11人が本棚に入れています
本棚に追加
「ゴ、ゴリさんはなしてよ、歩きにくいからー」
「ウホホ、ウホホ」
ゴリラのゴリさんにキユが困ったふうに言うと、胸を強く叩いて興奮しながら見つめます。
ゴリさんの名前がゴリラだと少し呼ぶのがめんどくさいので桃が一応考えた上で、勝手にきめたのでした。
「……キユ……ゴリさんとベタベタ……なつかれてるのね」
凍るような微笑みで桃は、キユを見つめるとスタスタとちかづきます。
「も、桃?」
「別行動でお供を探しましょ、はい、これ、ゴリさんいきますよ」
腰から袋に入った一つのきびだんごを彼に渡しました。
頬擦りしていたゴリさんに、言うと行動をやめ桃についていきます。
特製きびだんご効果といえばいいのでしょうか、食べさせたものには、主人として服従しなければならないまじないがほどこされているのです。
最初のコメントを投稿しよう!