2章

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井上佐一郎。 吉田東洋暗殺事件を捜査している、土佐藩出身のいわゆる警察官だ。 問題は吉田東洋を殺したのが、那須信吾ら土佐勤王党であるということ。 「ばれちまう事だけは、絶対に避けたい」 そしてここからが遼香の問題。 「おめーはどうするよ」 彼女は強い。 なんせ以蔵の太鼓判付き。 足手まといになるはずがない。 むしろ大いに役立つ。 他の者も文句は言わないだろう。 しかし人を殺す殺さないは、自身の判断に任せている。 『仕事』の時も、それは一緒だ。 暗殺を阻止する事だけは決して許しはしないが、自分が手を下す下さないかについては何も口を挟まない。 遼香が躊躇えば、自分がやるだけである。 「今回はやめときます」 .
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