1章

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「おい遼(リョウ)、帰るぞ」 橋の上から声がした。 「うーわ、血だらけだよ‥‥」 血と死体の海の真ん中に、1人の少女。 「こういう仕事は勘弁してほしいね」 うん。 そう1人で頷きながら、彼女は死体の1つから刀を抜き、颯爽と坂を上ってく。 「岡田さーん、こんな仕事二度とごめんなんだけど」 「毎回言ってねえか?それ。おめー、こんな仕事でもやらな、俺ら餓死だぜ」 「岡田さんが貧乏なんが悪いんだし」 さらりとひどいことを言いながらも、少女の心は穏やかだ。 恩が、ある。 一生忘れる事の出来ない恩が、ある。 少しでも恩返しをと手伝ってはいるが、嫌なものは嫌なのだ。 「おまえさ、好き嫌いは良くないぜ?」 「何を今さら」 .
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