1章

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今回の『仕事』も、 もちろん『暗殺』。 『水戸の浪士を殺してくれ。』 ある長州の藩士から頼まれた。 『なぜ?』 『それは、言えない―…』 それでも、以蔵は引き受けた。 『はあ?!うざいから、とかかもしれないんですよ?!』 遼香は止めようとした。 今まで引き受けていたのは、全てそれなりの理由があるものだった。 例えば、親の仇、例えば、政敵、例えば、………。 『それでも、それが俺らの仕事なんだ。』 お金のため、というのもないとは言わないが、こういう事は自分らにしか出来ないと思っている。 『いくら出す?』 『50両、用意した。』 『50両っ?!何でそんなにまた………。』 『8人、殺ってもらいたい。』 『8人!?まじですか?!8人なら80両はいるところですよ。』 勘定は全て、遼香に任せている。 以蔵は、金に疎い。 『や、でも、理由を明かさないとなると、もう10両はいりますね。こっちもやりづらいですから。』 『分かった!100両出そう!それで皆殺しにしてくれるんだろな?』 その男は、よほど8人を消したく思っていたのか、はたまた単なる金持ちだったのか、2人には分かりえなかったが、遼香のぼったくり話に、少々自棄気味だったがのってきた。 遼香はにやっと笑って答えた。 『お任せあれ。』 .
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