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「再錬に速さで勝てる子はいない。つまり、人間の負けだな。」
「速くたって鱗が取れなきゃ意味がないぜ!バ~カ!」
最終的には取っ組みあいとなり、神太郎と京花は呆れていた。
あの二体は本当に十神なのだろうか。
そう思った。
「余裕デスね…。犬飼神太郎。」
再錬が口を開いた。
道着を身に纏い、髪は後ろに軽く結んでいた。
「クレイプ……彼がどうなったか知ってますか?」
神太郎は首を横に振った。
大神から一切聞かされていなかった。
すると、再錬は歯を噛み締めて答えた。
「消えたデス。君のせいで…!」
消えた……?
「今度は君の番が消えるデス。ブラットリオのメンバー、この再錬(サイレン)が敵を討つデス。」
『ブラットリオ』
学園内にあるチームの名前だ。
三年をトップして、学園の生徒の大半が所属していたる巨大かつ伝統あるチームらしい。
クレイプはそこのメンバーで、どうやら彼が一番仲がよかったみたいだった。
今度はオレが消える番か…。
クレイプは消えた。
どういった意味で消えたかは知らないが、再錬が自分を憎む理由ならば…。
オレがクレイプを殺したのか?
答えはわからないが、今はゲームに勝ちたい。
世界がまだ変わっていないから。
ゲーム開始の合図が高々と鳴り響いた。
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