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最初はお互い様子をうかがいつつ、走り出した。
森の中は暗く、神太郎は走りずらい感じがした。
だが再錬は木の上を軽やかに走っていた。
「追いつかねぇな。」
神太郎は足がとても速いわけでもなく、あくまで人間の標準的なスピードだった。
焦ることはなかったが、不安は感じていた。
と、足元がグラついた。
「うわっ!」
転びかけたが、倒れることはなかった。
それが幸いした。
目の前にワイヤーが一本見えた。
森の中にあるワイヤーは、アメリカの映画によくあるパターンだ。
「トラップ…か。」
ワイヤーに触れないように神太郎は先に進んだ。
この先にもあるかもしれない。
神太郎はより慎重に行こうと思ったが……そうなると時間がない。
神太郎は少し考えて、結論を出した。
ドォン!
爆発音が聞こえた。
「馬鹿な男デス……。」
再錬はクスリと笑い、洞窟にへと向かった。
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