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しばらくして、再錬は洞窟に着いた。
支給品のライトで、薄暗い洞窟をゆっくりと進んでいった。
そこらじゅうに、骨と死体が散乱している。
そして腐敗臭が鼻につく。
微かに唸り声も聞こえた。
この先にいることは間違いない。
再錬の武器は爆発物だった。
とっておきのダイナマイトは、ドラゴン用に残してある。
威力は凄く、これが何本かあれば山一つを簡単に破壊できる。
なぜ、こんな危険物を使うかというと、再錬にはある目的があった。
鱗を取ってくるだけだが、殺してはいけないとは言われてない。
ドラゴンの骨は儀式に必要となる品物だ。
それを手に入れてクレイプを…。
クレイプは死んだわけではない。
魂だけ残り、体のみ異空間を今もさまよっている。
彼の体を取り戻すには、ドラゴンの骨で作った炬(タイマツ)を捧げる必要がある。
クレイプ、君を助けるためならボクは何でもするデス!!
そして、姿がようやく見えた。
「コイツが…、漆黒のドラゴンデスか……。」
洞窟の奥には大きな穴があった。
その穴の中心に、ドラゴンが眠るようにいた。
大きさは学園の塀ぐらいあるが、動きは鈍そうだ。
「死ぬデス。クレイプとボクのために…。」
再錬はダイナマイトを、投げ込んだ。
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