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グラドの問いに、神太郎は、再錬の体を綺麗に直してから答えた。
「ライフアゲームのためだ。アンタの鱗が必要だから取りにきた。」
朦朧とした意識のなか、神太郎は説明をした。
グラドもはそれをしっかりと理解し、神太郎に鱗をくれた。
『お前は懐かしい気をもっている。そして、いい目をしているのが気に入った。これは我からの捧物だ。』
グラドは優しく神太郎に息を吹いた。
すると、怪我がみるみる治っていった。
再錬からの攻撃で出来た怪我も、昔からの残っていた傷も……。
「ありがとう…。」
神太郎は優しく笑った。
『最後に名を聞かせてはくれぬか?』
神太郎は名前を言った。
「犬飼神太郎。」
『神太郎……。いい名だ。さ、行くがよい。』
グラドの尾で、上まで運んでもらった。
『こやつも連れていけ。と言っても、屍だかな。』
グラドは、再錬の屍を渡してくれた。
「ああ………。」
背には再錬の屍。
そして手には鱗がある。
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