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「今の音は!?」
京花に聞かれ、大神は困った。
と、美神が扇をフワリと飛ばした。
すると、扇はコウモリに変わり、飛んでいった。
「再錬を探すついでだ。音の正体くらい確かめてやろう。」
美神は優しい一面を京花たちに見せた。
「お前って、生徒には優しいよなぁ。」
京花は大神の表情が柔らかくなっているのに気がついた。
「分かったぞ。どうやら洞窟の爆発だ。」
「じゃあ………!神太郎くんたちは!?」
京花が不安になった瞬間、小さな声を大神が聞いた。
「京花。アレ、見てみろよ。」
大神が指差す方向には、神太郎が歩いて来ていた。
そして、その傍らにはなんと再錬の屍を乗せたユニコーンがいた。
「犬飼くん!」
神太郎は何よりも先に再錬の屍を降ろした。
「美神さん、コイツはオレが殺した。」
第一声がそれだった。
「オレは自分に何をされても、自分から返すことはなかった。
例え、死にかけても…。けど、このライフアゲームを始めてからは違う。この手でもう二体も殺った。」
神太郎は拳を握りしめた。
「オレが参加しなきゃ消えなかった命だ。」
しかし、始まったからには続けていくしかない。
「もう無駄な命は消させない。それがオレの答えだ。」
神太郎は大神に聞いた。
「ライフアゲームには願いを叶える権利ってあったよな?願い、決まったぜ。」
「何だ?お前の願いは。」
「こんなくだらない争いなんかオレが終わらせてやる…。ライフアゲームをぶっ潰す!」
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