一夜城

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一夜城

今川義元を桶狭間で敗った後、信長は強力な地盤となる美濃を攻略しようと決意。しかし美濃の拠城稲葉山城は難攻不落の城として名高く信長は苦戦を強いられた。そこで信長は墨俣に砦を築き、そこから稲葉山を攻めようとした。だが、敵に姿を晒しての築城は困難を極めた。織田家の譜代の重臣【柴田勝家】・【丹羽長秀】が築城に取り掛かるが両雄ともにことごとく失敗した。 『なんたる様だ❗❗なんとしても墨俣に砦を築かねば稲葉山城を攻める事が出来ん❗❗誰か出来る者はおらんのか❗❗』 信長は家臣達に罵声を浴びせた。 だが敵を目の前で築城など神業でも使わない限り無理である。 誰もとっさに言葉が出なかった。 すると‥‥ 『信長様❗おいらにやらせて下さい。』 そういったのは藤吉だった。 『猿❗❗馬鹿を申すな❗❗わしや丹羽殿が決死にやっても築けなかった城をお前などに築けるわけがないだろう❗❗』 柴田が怒鳴った。 だが、俄然として藤吉の自信はかわらなかった。 『よかろう猿❗お主に任せる❗幾月あれば出来る⁉』 信長は尋ねた。 『一日❗』 藤吉はなんと柴田・丹羽の築けなかった砦を一日で築くと言ったのだ。 『ば‥馬鹿な❗たった一日で出来るわけがなかろう。』 柴田が怒鳴り散らすが藤吉はお構いなかった。 『よし❗一日で築いてみせよ❗もし築けたならばそちにその砦をやる❗駄目な時はその首がないと思え❗❗』 こうして藤吉の一夜城建設が始まった。
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