豪華客船クイーンシャルファー

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ミナーリンに寄るのは苦ではない。しかし、あの港に泊まってもスケジュールがあるわけではないし、客など乗ってこない。 無意味な時間な気がしてならないのだ。 「おい!!メンテナンスを頼む」 ウォーフ船長は必ずメンテナンスを自分の目で見ながらやらせる。長年連れ添った船だ。若年の専門家より知識には自信があった。しかし、体がついていかない。 「分かりました。上からやりますか?それとも船底から?」 彼のメンテナンスの手付け位置は毎回違う。前後左右までこだわる。 「いや、今回は客室からだ。最近はゴミをほったらかしていきやがる」 「つまり、掃除からって事ですね」 作業員はため息をついた。
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