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最愛の母の死
海斗:母さん!
母に呼びかけたが返事がない。
数時間が過ぎ、日も落ちようとしていた。
幸恵:かい…と…
海斗が振り向くと母が目覚めていた。
幸恵:また…迷惑かけたね…
海斗:迷惑なんて思ってない!ゆっくり休んで!
海斗がそう言うと幸恵は微笑んだ。
幸恵:お前は昔から賢くて頼れる子だったね。母さんをいつも守ってくれて。母さん海斗が息子で本当に良かったよ。
海斗:何別れの前みたいなこと言ってんだよ!まだ母さんには恩返ししてないんだから早く元気になれよな。
幸恵:もし母さんが死んでも頑張るんだよ。
海斗は一瞬言葉を失った
母親を亡くすなんて考えてもなかったからだ。
海斗:母さんはずっと一緒に暮らすんだよ?
海斗は泣き出しそうな声で幸恵に言った。
そして沈黙が続いた。
夜8時…それは起こった
幸恵の容態が急変したのだ。海斗は急いで医師を呼んだ。
医師は処置をしたがそこにいる誰もが助からないと思った。そう…海斗でさえも。
すると幸恵が小さな声でささやいた。
幸恵:海斗…母さん…海斗をちゃんと育てられたかな?
海斗は泣きながら力強く首を下に振った。
幸恵:良かった…
そう言って微笑むと息を引き取った。
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