第一章 『牢獄』

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“おまえらなんか だいっきらいだ。 みんな、みんな 死んじゃえばいいんだ。 こんな世界なんか、いらない” 少年はそう叫んで 男をにらみました。 まるで この世界に存在するものすべてが 憎いというように。 男は だまって 少年の銀色の瞳を 見つめつづけていました。 そして “きみとぼくは、似ているね。 ぼくも、こんな世界、 きらいだよ。” そう言って 男は ほほえんだのでした。 やさしく やさしく ほほえんだのでした。
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