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少年に与えられるモノは
いつだって
憎悪にみちたうらみごとと
はげしく残酷な暴力だけでした。
だから
少年は
ずっと
あきらめていたのでした。
じぶんが
いちばん
ほしかったものを。
じぶんのためだけに
むけられる
優しいえがおを。
男は
少年を
やさしく抱きしめて
言いました。
“こんないびつな世界でも、
きみは
とてもキレイな眼と髪をしているんだね
とてもキレイな銀色だ。”
わらっているはずなのに
なぜか男は
泣きそうな声を
していたのでした。
少年は
泣きませんでした。
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