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旋毛(つむじ)が生まれて五年が過ぎたある日・・・
いつもの様に母、玉世(たまよ)が幼稚園に旋毛を迎えに行った時の事である。
「あっお母さんが来た」グラウンドで迎えを待つ子供達の集まりの中にいた旋毛は、母、玉世を見つけて声を上げた
「迎え来たから、また明日ね、バイバ~イ」友達に手を振り会話を切り上げ、旋毛はいつもの調子で玉世のもとに走って駆け寄って来た。旋毛は母が大好きだった。
いつもと変わらぬ息子の姿であったが、いつもと少し違う事があった。
息子が駆け寄って来たら皆の見送りをしている先生にお辞儀をして、さぁ帰りましょう。
・・・となるはずだが
その日は旋毛の担任の先生が声をかけてきたのである、
「あっ旋毛君のお母さん」
呼び止められた玉世はあら?なにかしら?と思いながらもすぐに返事を返した
「あっはい、どうかなさったんですか?」
また旋毛が御飯でも残したのかな?それとも今度はお昼寝の時間に寝なかったのかな?
チラッと旋毛の方を見てみる、さっきまでいつもと同じ表情は消え、うつむき加減、ちょっと不貞腐れてる様にも見える・・・
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