始まり

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私にはどうして友達が震えていたのかわからなかった。 だから謝るために私が声を出したとき……   「近付くな!この偽善者が!!」   私は固まった。 ただ謝ろうとしただけなのに、その友達は私を『偽善者』と呼んだ。 私はどうしたらいいかわからなかった。      結局、今日はこの場を立ち去ることしか出来なかった。   その日から三日がたち、友達は学校に来ていた。 この前ちゃんと謝れなかったので、私は今度こそ謝ろうとその友達に近付いた。  その時だ、周りに居た友達が   「よぅ、偽善者男」   と言ってきた。 私はちょっとしたおふざけで言ってきたのかと思っていたが、続けざまに   「善人ぶって楽しいか?」  と言った。 私はただ、自分が犯してしまった過ちに対して謝ろうとしただけなのに、それを『偽善者』だなんて…。   男子のみんなは私を偽善者と呼び、周りの女子は見て見ぬふりをしていた。 私は胸が苦しくなった。 ふとしたことで起こってしまった事故の、たまたま加害者になってしまった私を、仲間のみんなはどうしてそこまで咎めるのか。   また、たまたま被害者になってしまった友達も何故、私を拒絶するのか、私にはわからなかった。   そしてその日を境に、私はクラスの男子から“いじめ”を受けるようになった………。
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