イチョウともみじとリズムに乗って

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やっと去年の世界に馴染めた周だったが何だか寂しいと思い始めていた。 元の世界に戻ったら、二度とここには来れないだろう。 そしたらもちろん、幼い水面にも、工藤にも会えない。 そんなことくらい解っていたが、やはり寂しいものは寂しいのだ。 「周ちゃん、どうかしたの?」 「さっきから、浮かない顔してたよ?」 ハッと我に返る。 今は寂しいなんて言ってられない。 二人には笑顔でいてほしい。
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