イチョウともみじとリズムに乗って

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「コレはめるのかなぁ…。」 水面の手には音符。 もちろん誰もがそう思った。 「はめこむよ?いーい?」 むしろ、はめこむのを待ってるくらいだった。 「うん、はめて。」 周の一言で水面は動いた。 ゆっくり近づけておそるおそるはめこんだ。 すると外が急にザワめき始め、イチョウやもみじの葉が舞った。 「うわぁ~…。」 太陽の光で輝く葉や、影となって散る葉。 それぞれによって繊細な光景が広がった。 見とれているうちに、すべての葉がグランドに落ちた。 その中の何十枚かは、5本線の上に張り付くように並んだ。 見事に楽譜が完成したのだ。
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