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「やっと桜が咲いた」
これで春だと実感出来る
冬が終われば、もう怖いことなんてない
桜はそっと指を伸ばし、窓に触れた
「綺麗な桜。舞ってるみたい…」
「桜」
「あっおはよう冬夜」
物思いにふけっていると、幼なじみである冬夜が登校してきた。
「何してるんだ?」
「うん…ちょっとね」
冬夜は感がいいから気付いたんだろう
「春とは言え、まだ肌寒い。早く教室に戻れ」
「…みんなが来たら入るね」
物音のしない教室は恐怖以外なにものでもない
一人で入るなんて絶対に嫌だ
「なら、俺もここにいる」
冬夜は私の隣に座りこんだ
それにならって私も座った
「…ありがとう」
「何がだ?」
「ふふ…何でもない」
優しい冬夜
冬夜と葵、みんなが居てくれたから
私はここに居られるの
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