ある日の心情

2/7
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
  トン トン トン   当たり障りのない会話に始まり、ちょっと哲学的な話をしたかと思えば、結局どうにもならないのだと会話が切れて、今。   ほぼ毎日顔をあわしているのだ。 二人とも話のネタを毎日仕入れられるほど好奇心旺盛ではないし、そこまで話し好きというわけでもないのだから、無理に私たちが会話をする必要はない。   トン トン トン ...   神経質な彼女らしい癖だけが、この場の音の全てだ。 きっと私が真似したら怒るだろう。 神経質な彼女が落ち着くための、無意識の動作なのだから。 黙って頭の中で、彼女のリズムと重ねる。 すぐ憂鬱で支配される私の脳を、落ち着かせてくれる、彼女の癖。   嗚呼、だから私は彼女と一緒にいるのだ。       ◆ロザ◆ メリーとの日常  
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!