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トン トン トン
当たり障りのない会話に始まり、ちょっと哲学的な話をしたかと思えば、結局どうにもならないのだと会話が切れて、今。
ほぼ毎日顔をあわしているのだ。
二人とも話のネタを毎日仕入れられるほど好奇心旺盛ではないし、そこまで話し好きというわけでもないのだから、無理に私たちが会話をする必要はない。
トン トン トン ...
神経質な彼女らしい癖だけが、この場の音の全てだ。
きっと私が真似したら怒るだろう。
神経質な彼女が落ち着くための、無意識の動作なのだから。
黙って頭の中で、彼女のリズムと重ねる。
すぐ憂鬱で支配される私の脳を、落ち着かせてくれる、彼女の癖。
嗚呼、だから私は彼女と一緒にいるのだ。
◆ロザ◆ メリーとの日常
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