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窓から手を出して、ザーザーと振る雨に振られてみた。
すぐにびちょびちょになっちゃったけど、僕は嬉しくて、安心した。
本当は雨の中にたって、地面と一緒にびちょぬれになりたいけど、クランクが心配するから(本当は僕のことを心配していない。自分のことだと置き換えて、風邪を引いたときの注射に怖がっているだけなんだけど)、手だけ出してる。
それでも僕は雨にはなれない。
雨でぐしょぐしょになった地面にもなれない。
結局、人間……なんだけど、なんだけど……ワカラナイ。
●レイ● ある雨の日
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