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「マサト!朝よ!」
いつもとは違う目覚めに脳が異反応を起こす。
「ん・・・」
「ほら、いつまで寝てるの!今日は博士のところに行かなきゃいけないんでしょ!」
「ん?・・・あぁ・・・」
そうか、そういやそんなめんどくさい行事もあったな。
マサトはゆっくりとベッドから起き上がり、のそのそと一階へと降りた。
殺人事件のニュースを眺めつつ、皿に置いてある食パンをむさぼる。
「あんた、ホントに大丈夫なの?」
「あぁ・・・」
「物騒な世の中なんだから周りには十分注意するのよ?」
「あぁ・・・」
「お母さん、本当に心配なんだからね?あんたみたいな子が」
「分かってるよ!うっさいなぁ・・・」
「ごちそーさん。じゃ、行ってくるよ。」
「気を付けてね。疲れたらいつでも帰ってくるのよ?」
「・・・・・」
「・・・行ってらっしゃい。」
「あぁ・・・」
もう戻れない。
戻ることは敗北を意味するのだから。
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